秋になると店頭に並ぶ、つややかな栗。
ほくほくとした食感と、やさしい甘みが魅力の秋の味覚です。
旬の栗を買ってみたものの、
「栗は何分くらい茹でればいい?」
「硬い鬼皮や渋皮はどうやってむく?」
「栗ご飯に使う栗も茹でてからむくの?」
と迷うことはありませんか。
栗は、茹でてそのまま食べる場合と、栗ご飯や甘露煮などに使う場合とで、適した下処理が異なります。
茹で栗は、やわらかくなるまで加熱してから皮をむきますが、栗ご飯や甘露煮には、生栗の皮をむいてから調理する方法が一般的です。
この記事では、栗の基本の茹で方と茹で時間、鬼皮・渋皮のむき方をはじめ、生栗の皮をむくコツや保存方法まで詳しく紹介します。
栗を茹でる前の下準備
栗をおいしく茹でるためには、まず栗の状態を確認し、表面の汚れを落としておくことが大切です。
栗の選び方と鮮度の見分け方
栗を選ぶときは、次のような点を確認しましょう。
- 鬼皮にツヤとハリがある
- 手に持つとずっしりと重みがある
- 皮に大きな傷や穴がない
- カビや異臭がない
栗は乾燥すると実の水分が失われやすいため、皮にハリがあり、重みのあるものを選ぶのがおすすめです。
また、小さな穴が開いている栗は、虫が入っている可能性があります。購入した栗は、調理前に一粒ずつ状態を確認しておきましょう。
栗の洗い方と水につける方法
栗は、茹でる前に流水でよく洗い、表面についた土や汚れを落とします。
その後、必要に応じて水につけておくと、鬼皮が水分を含み、皮をむく際の下準備にもなります。

生栗の鬼皮をむきたい場合は、数時間から一晩ほど水につける方法もあります。
一方、鍋で茹でて食べる場合は、必ずしも長時間水につける必要はありません。洗った栗をそのまま茹でても大丈夫です。
水に浮く栗は、乾燥や虫食いなどの可能性があります。ただし、浮いたものがすべて傷んでいるとは限りません。皮の状態や異臭の有無なども確認し、異常があるものは使用を避けましょう。
なお、長時間水につける場合は、傷みを防ぐため冷蔵庫に入れておくと安心です。
栗の基本の茹で方と茹で時間
栗をそのまま食べるなら、鍋でじっくり茹でる方法が手軽です。
特別な道具は必要なく、鍋と水があれば作ることができます。
鍋で栗を茹でる方法

基本の茹で方を紹介します。
材料
- 生栗……適量
- 水……栗がしっかり浸る量
- 塩……お好みで少量
塩は入れなくても茹でられます。栗本来の甘みを楽しみたい場合は、水だけでも十分です。
作り方
- 栗を流水でよく洗い、表面の汚れを落とします。
- 鍋に栗を入れ、栗がしっかり浸るくらいの水を加えます。
- 中火にかけ、沸騰したら弱火にします。
- 栗の大きさに合わせて、弱火で40〜50分ほど茹でます。途中で水が少なくなった場合は、お湯を足しましょう。
- 竹串を刺して中までやわらかくなっているか確認し、火を止めます。
- 茹で汁につけたまま粗熱を取り、手で触れられる温度になったら取り出します。
茹で時間は栗の大きさや鮮度によって変わります。小ぶりな栗なら30〜40分程度で火が通る場合もあるため、様子を見ながら調整してください。
栗が茹で上がったか確認する方法
栗が茹で上がったかどうかは、竹串などを刺して確認します。
竹串が中心まで比較的スムーズに入れば、火が通っている目安です。
まだ硬い場合は、5〜10分ほど追加で茹で、再度確認しましょう。
栗の大きさによって火の通り方が異なるため、大きめの栗を選んで確認すると安心です。
栗は茹でた後すぐに取り出す?
茹で上がった栗は、すぐにザルへ上げず、茹で汁につけたまま少し冷ます方法がおすすめです。
急に乾燥するのを防ぎながら、手で扱いやすい温度まで冷ますことができます。
ただし、長時間常温で放置するのは避け、粗熱が取れたら取り出して食べるか、適切に保存しましょう。
皮をむいて食べる場合は、完全に冷める前の、温かさが残っているうちに作業するとむきやすくなります。
茹で栗の皮のむき方|鬼皮・渋皮をむくコツ
栗の皮には、外側の硬い鬼皮(おにかわ)と、その内側にある薄い渋皮(しぶかわ)があります。
茹でた栗は、鬼皮をむいてから渋皮を取り除くと、ほくほくとした実を楽しめます。
茹で栗の鬼皮のむき方
鬼皮は栗の外側を覆っている、茶色く硬い皮です。
茹でることで生栗よりもやわらかくなりますが、包丁を使う場合は手を傷つけないよう注意しましょう。
- 茹でた栗を、手で触れられる程度まで冷まします。
- 栗の底にある、ざらざらした部分に包丁で浅く切り込みを入れます。
- 切り込みから鬼皮を少しずつ持ち上げ、はがすようにむきます。
- 実を傷つけないようにしながら、残った鬼皮を取り除きます。
栗の底の部分は比較的切り込みを入れやすいため、ここからむき始めると作業しやすくなります。
包丁で無理に深く切り込むと実まで削ってしまうため、少しずつむくのがコツです。
茹で栗の渋皮のむき方
鬼皮を取り除くと、栗の実を覆う薄い茶色の渋皮が現れます。
茹でた栗の渋皮は、実に密着していることがあり、鬼皮よりもむきにくい場合があります。
- 鬼皮をむいた栗を用意します。
- 渋皮の端を包丁の先などで少し持ち上げます。
- 実を崩さないように、少しずつ渋皮を取り除きます。
- 渋皮が残っている部分は、包丁で薄く削るように取り除きます。
渋皮が実にしっかりついている場合は、無理にはがそうとすると実が崩れることがあります。
そのため、栗の形をきれいに残したいときは、少しずつ丁寧にむきましょう。
なお、茹で栗をそのまま食べるだけなら、必ずしも鬼皮と渋皮をすべてむく必要はありません。
栗を半分に切り、スプーンで中の実をすくって食べる方法も手軽です。
栗の皮をきれいにむくコツ
栗の皮をむくときは、次のポイントを意識すると作業しやすくなります。
- 茹でた栗は、温かさが残っているうちにむく
- 一度にすべて取り出さず、むく分だけ茹で汁から取り出す
- 鬼皮は底の部分から少しずつむく
- 渋皮が取れにくい場合は、無理に引っ張らず薄く削る
- 栗の形を残したい場合は、包丁を深く入れすぎない
特に、茹でた栗を完全に冷ましてしまうと、皮がむきにくく感じることがあります。
一度にたくさんむく場合は、温かい状態を保ちながら少しずつ作業するとよいでしょう。
生栗の皮のむき方|栗ご飯や甘露煮に使う下処理
栗ご飯や栗の甘露煮を作る場合は、生栗の鬼皮と渋皮をむいてから調理する方法が一般的です。
茹で栗とは異なり、栗の実に火を通しすぎずに皮をむくことで、その後の調理に使いやすくなります。
生栗の鬼皮は硬く、そのままでは包丁を入れにくいため、水やお湯につけてから作業するとむきやすくなります。
生栗の鬼皮のむき方
まずは、栗の外側にある硬い鬼皮を取り除きます。
- 栗を流水で洗い、表面の汚れを落とします。
- 栗を水に数時間つけるか、熱めのお湯に20〜30分ほどつけて鬼皮をやわらかくします。
- 栗の底にある、ざらざらした部分に包丁で浅く切り込みを入れます。
- 切り込みから鬼皮を少しずつはがすようにむきます。
- 実を傷つけないように、残った鬼皮を取り除きます。
栗の底の部分からむき始めると、鬼皮をはがしやすくなります。
ただし、栗の大きさや皮の硬さによってむきやすさは異なります。包丁を無理に押し込まず、安定した場所で少しずつ作業しましょう。
生栗の渋皮のむき方
鬼皮をむいたら、次に薄い茶色の渋皮を取り除きます。
渋皮は実に密着しているため、包丁で薄く削るようにむくのが基本です。
- 鬼皮をむいた栗を用意します。
- 栗の丸みに沿って、包丁で渋皮を薄く削ります。
- 栗を少しずつ回しながら、渋皮を取り除きます。
- むき終わった栗は、変色を抑えるため水にさらします。
渋皮を厚く削りすぎると、栗の実まで小さくなってしまいます。
特に甘露煮など、栗の形を残したい料理では、できるだけ薄くむくことを意識しましょう。
皮をむいた栗は、長時間水につけっぱなしにせず、下処理が終わったら早めに調理するのがおすすめです。
栗の皮を簡単にむく方法は?
栗の皮むきは時間がかかる作業ですが、あらかじめ水分を含ませたり、専用の道具を使ったりすることで、作業しやすくなります。
ここでは、熱湯や冷凍を利用した方法と、栗専用の皮むき器について紹介します。
熱湯につけてからむく方法
生栗の鬼皮が硬くてむきにくい場合は、お湯につけてからむく方法があります。
- 栗を流水でよく洗います。
- 耐熱性のボウルに栗を入れ、栗が浸るくらいの熱湯を注ぎます。
- 20〜30分ほど置き、手で扱える温度になったら取り出します。
- 栗の底に切り込みを入れ、鬼皮をむきます。
- 残った渋皮を包丁で薄くむきます。
お湯につけることで鬼皮が水分を含み、そのままむくよりも作業しやすくなる場合があります。
ただし、渋皮まで簡単にはがれるとは限らないため、渋皮は包丁などで丁寧に取り除きましょう。
熱湯を扱う際は、やけどに十分注意してください。
冷凍してからむく方法
栗の皮をむく方法として、生栗を一度冷凍してから熱湯につける方法もあります。
冷凍と加熱による温度変化を利用することで、鬼皮や渋皮がむきやすくなる場合があります。
- 栗をよく洗い、水気をしっかり拭き取ります。
- 冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で一晩以上冷凍します。
- 凍った栗を耐熱性のボウルに入れ、熱湯を注ぎます。
- 数分置き、やけどしない温度になったら鬼皮をむきます。
- 渋皮が残る場合は、包丁などで取り除きます。
栗の種類や状態によっては、冷凍しても渋皮がむきにくいことがあります。
また、冷凍した栗は食感が変わる場合があるため、栗の形や食感を大切にしたい甘露煮などでは、料理に合わせて下処理の方法を選びましょう。
栗専用の皮むき器を使う方法
栗の鬼皮や渋皮を包丁でむくのが大変な場合は、栗専用の皮むき器を使う方法もあります。
栗の皮むきに適した形状になっているため、包丁だけで作業するのが難しい方にも便利です。
特に、栗ご飯や甘露煮などでたくさんの栗を使う場合は、専用の道具があると作業の負担を減らせることがあります。
ただし、刃物を使う道具なので、手を傷つけないよう注意しながら作業しましょう。
皮むき器にはさまざまな種類があるため、鬼皮だけでなく渋皮にも対応しているか、使いやすい形状かどうかを確認して選ぶとよいでしょう。
栗の茹で方・皮のむき方でよくある疑問
栗を茹でたり、皮をむいたりするときに迷いやすいポイントをまとめました。
栗は水につけずに茹でてもいい?
栗は、水につけずにそのまま茹でても大丈夫です。
流水で表面の汚れをよく洗い、鍋に栗と水を入れて茹でれば、ほくほくとした茹で栗を楽しめます。
一方、生栗の鬼皮をむく場合は、あらかじめ水やお湯につけておくと、皮がむきやすくなることがあります。
栗は何分茹でればいい?
栗の茹で時間は、大きさや鮮度によって異なりますが、沸騰後に弱火で40〜50分程度がひとつの目安です。
小ぶりな栗なら30〜40分ほどで火が通る場合もあります。
茹で時間だけで判断せず、竹串などを刺して中心まで火が通っているか確認しましょう。
茹でた栗の渋皮がむけないときは?
茹でた栗の渋皮がむけない場合は、温かいうちに少しずつ取り除くと作業しやすくなります。
冷めてしまった場合は、短時間お湯につけて温め直す方法もあります。
それでも渋皮が実に密着している場合は、包丁で薄く削るように取り除きましょう。
無理に引っ張ると実が崩れることがあるため、少しずつむくのがコツです。
茹でた栗がパサパサになる原因は?
茹でた栗がパサパサになる原因として、栗の乾燥や保存状態、加熱後の水分の蒸発などが考えられます。
栗は収穫後も乾燥しやすいため、購入したら適切に保存し、できるだけ新鮮なうちに調理することが大切です。
また、茹で上がった栗を長時間そのまま放置すると、表面から水分が失われやすくなります。
すぐに食べない場合は、粗熱を取ってから密閉容器などに入れ、冷蔵または冷凍保存しましょう。
栗は茹でるのと蒸すのではどちらがいい?
栗は茹でても蒸してもおいしく食べられますが、仕上がりや調理方法に違いがあります。
茹でる方法は、鍋と水があれば手軽に作れるのが特徴です。
一方、蒸す方法は栗が直接水に浸からないため、栗本来の風味を楽しみたい場合にも向いています。
どちらも栗の大きさによって加熱時間が変わるため、中心までしっかり火が通っているか確認しましょう。
茹でた栗の保存方法と保存期間
茹でた栗は傷みやすいため、すぐに食べない場合は冷蔵または冷凍保存しましょう。
保存するときは、粗熱を取ってから密閉し、できるだけ早く冷蔵庫や冷凍庫に入れることが大切です。
茹で栗の冷蔵保存方法
茹でた栗を2〜3日以内に食べる場合は、冷蔵保存が便利です。
- 茹でた栗の粗熱を取ります。
- 水気を切り、清潔な保存容器や保存袋に入れます。
- しっかり密閉して冷蔵庫に入れます。
- 2〜3日を目安に、できるだけ早く食べ切ります。
保存期間はあくまで目安です。栗の状態や保存環境によって変わるため、異臭やぬめり、カビなどが見られる場合は食べないようにしましょう。
茹で栗の冷凍保存方法
茹でた栗を長く保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。
鬼皮がついたままでも冷凍できますが、使いやすさを考えると、皮をむいてから冷凍しておくと便利です。
- 茹でた栗の粗熱を取ります。
- 必要に応じて鬼皮と渋皮を取り除きます。
- 使いやすい量に分け、冷凍用保存袋に入れます。
- できるだけ空気を抜いて密閉し、冷凍庫で保存します。
冷凍保存した茹で栗は、約1か月を目安に使い切るとよいでしょう。
冷凍しても品質の変化は少しずつ進むため、風味を楽しむなら早めに食べ切るのがおすすめです。
冷凍した茹で栗の解凍方法
冷凍した茹で栗は、冷蔵庫でゆっくり解凍するか、電子レンジなどで温めて食べることができます。
電子レンジで温める場合は、耐熱容器に入れてふんわりとラップをかけ、少しずつ加熱しましょう。
加熱しすぎると水分が抜けて硬くなることがあるため、様子を見ながら温めるのがポイントです。
なお、皮付きの栗を電子レンジで加熱すると、破裂するおそれがあります。電子レンジで温める場合は、鬼皮と渋皮を取り除いた栗を使いましょう。
栗のおすすめの食べ方・活用レシピ
栗は茹でてそのまま食べるだけでなく、ご飯や甘露煮、お菓子など、さまざまな料理に使うことができます。
料理によって適した下処理が異なるため、作りたいレシピに合わせて使い分けましょう。
栗ご飯
秋の定番料理といえば、栗ご飯です。
生栗の鬼皮と渋皮をむいてからお米と一緒に炊くと、栗のほくほくとした食感と、やさしい甘みを楽しめます。
栗ご飯を作る場合は、栗を完全に茹でてから使うのではなく、生栗の皮をむいて炊き込む方法がおすすめです。
栗の甘露煮
栗の甘露煮は、皮をむいた栗を砂糖で甘く煮た保存食です。
そのまま食べるほか、おせち料理や和菓子、ケーキなどにも使えます。
栗の形をきれいに残したい場合は、生栗の鬼皮と渋皮を丁寧にむき、煮崩れしないように調理することが大切です。
栗きんとん
栗きんとんは、栗の風味を楽しめる和菓子や、おせち料理の定番です。
茹でた栗をつぶして作る栗きんとんや、さつまいもと栗の甘露煮を合わせる栗きんとんなど、さまざまな作り方があります。
茹で栗が余ったときの活用方法としてもおすすめです。
まとめ
栗は、茹で方や皮のむき方のコツを知っておくと、旬のおいしさを手軽に楽しめます。
鍋で茹でる場合は、沸騰後に弱火で40〜50分ほどを目安に、栗の大きさに合わせて加熱時間を調整しましょう。
茹で栗は温かいうちに皮をむくと作業しやすく、生栗は水やお湯につけてからむくことで、硬い鬼皮を扱いやすくできます。
また、栗ご飯や甘露煮などに使う場合は、生栗の鬼皮と渋皮をむいてから調理する方法が一般的です。
旬の栗が手に入ったら、まずは基本の茹で栗を楽しみ、栗ご飯や甘露煮などにも活用してみてください。


